ハードスキルとソフトスキルの融合

皆さんこんにちは。

前回の記事では、学習によって学ぶことができる知識である「ハードスキル」と、経験や他者とのやり取りなど、社会生活と共に学んでいく「ソフトスキル」という2つのスキルがあることを解説いたしました。

ハードスキルとソフトスキルはそれぞれ独立した能力と考えられているが、習得した能力を最大限に活かすためには、これらをどのように融合するか、という点に注目する必要があります。

ハードスキルとソフトスキルを融合して発揮できる技術を「ミディアムスキル」と呼ぶことにしましょう。この言葉自体は私自身が勝手に作り上げた言葉ですが、その有用性は非常に高く、多くのビジネスパーソンが積極的に身に着けるべきスキルだと考えています。

【ミディアムスキルについて】

典型的なハードスキルの一つに統計学があります。多くのデータを数学的に処理・分析する知識であり、高度なビジネスな場では当然のように使われている手法です。

但し、初歩的な統計の知識でもある程度の数学的知識を必要とするため、統計処理の結果をチームや顧客にそのまま示してもなかなか理解されにくく、効果的に情報や結論を伝えられないことがあります。

しかし、統計学を学んだ人が、ソフトスキルであるプレゼンテーションスキルやファシリテーションスキルを身に着けていれば、その人は情報の効果的な伝え方を知っているため、情報の受け手の立場に立ち、効果的、かつ統計学を全く知らない人でもわかるような説明で情報や結論を伝えることができます。

統計学とプレゼンテーションスキルをそれぞれ身につけただけでは、単にハードスキルとソフトスキルを1つずつ持っているという、足し算の結果にしかなりません。

しかし、両者の有用性を伸ばすことができるような工夫をし、ミディアムスキルとして昇華することで、掛け算の相乗効果を生み出すことができるのです

【ミディアムスキルの例】

「TOEIC等の点数が高くコミュニケーション能力もあるが、国際ビジネスで有効に使える英語力が身についていない」、という状態も、ハードスキルとソフトスキルの足し算にとどまっている例となります。

英語とコミュニケーション能力を融合し、グローバルでコミュニケーションを取ることができるミディアムスキルに昇華することで、2つのスキルを最大限活用できることとなります。

他にも、ハードスキルとソフトスキルの融合から得られるミディアムスキルは以下のようなものがあり、自身のスキルの磨き方次第では、限られたスキルから様々なミディアムスキルを産み出せることも特徴でしょう。

ミディアムスキルを身に着けるためには、まずは自身のハードスキルとソフトスキルの棚卸が重要となってきます。自分自身が身に着けているスキルを自分が認識していないということはよくあることで、日本人が職務経歴書を書くことが苦手な理由でもあります。

今後は自身のスキルの棚卸についての記事も書きますので、皆さんもぜひこの機会に自身のスキルについて整理して、身に着けることができるミディアムスキルにどのようなものがあるか考えてみてください。

それでは今回は以上となります。次回もどうぞよろしくお願いいたします。