統計データから見る転職トレンド

皆さんこんにちは。
今回は、転職者数の統計データを見て、昨今の転職トレンドを見ていきたいと思います。

転職者数に関するデータは、総務省統計局が毎年集計を実施しています。早速ですが、転職者数についてのデータを見ていきましょう。

〇転職者数推移
以下のデータは、2002年から現在までの転職者数の推移を示しております。

【出典:総務省統計局 一部画像加工】

2007年以降、リーマンショックの影響で大きく減少しておりますが、それ以降は緩やかな上昇トレンドを見せています。
転職者数の微増が続く中、2017年から大幅に転職者数が増加経過を見せ、2019年においてはリーマンショック前の人数を超えることとなりました。

ここで注目したいことは、「転職理由の変遷」です。




〇転職理由
こちらのデータは、同じく総務省統計局が発表している、離職理由別の転職者数データです。

【出典:総務省統計局 一部画像加工】

リーマンショック以降、青い線で示されている「会社都合退職」が一時的に増加しました。これは簡単に言えば会社からのリストラです。リーマンショックの経済的ダメージに耐え切れず、多くの企業がリストラを実施して人件費の削減を図りました。


しかし、リーマンショック以降は、少しずつ「より良い条件の仕事を探すため」の人数が増加し、今では他の転職理由とは大きく水をあける結果となっております。


これには複数の要因が考えられます。
一つ目に挙げられるのは、若手のワークライフバランス志向です。
数年前、一部企業の過重労働が話題になった際から、ブラック企業や過剰残業が社会的にも大きなテーマとなりました。それ以降、そのような企業の労働実態が明らかになり、プライベートも重視しながら仕事をするワークライフバランスの重要性が増しています。

特に、現在の若手社会人はデジタルネイティブ世代であり、インターネットやSNSで自社以外の動向を知ることが一般的なこととなりました。そうすることで、先進的な働き方をしている外資系・ベンチャー企業や、大手企業でも柔軟な働きからを実施している企業で働いている友人・知人の実態を自然に目にすることになります。「隣の芝は青い」ではありませんが、そのような働き方を実現している企業がある以上、自分自身もそのような環境に身を置きたくなり、転職を志望するに至りやすくなりました。



二つ目に挙げられるのは、転職に対する心理的ハードルの低下です。
転職の人数が毎年数万人単位で増加しているということは、それだけ身の回りでの転職ケースが当たり前となってきているということです。このサイトをご覧の皆さんも、「転職はしていないが、転職エージェントの申込だけはしたことがある」という方も多いのではないでしょうか。

従来、転職というのは数多くの心理的ハードルを超えなければなりませんでした。「自分の部署ではだれも転職をしている人がいなくて辞めずらい」「転職したとしても失敗したらもう後戻りできないのではないか」と考える方も多く、転職という選択肢が頭に浮かんでも、実行に移す人は多くはありませんでした。

しかし、理由の一つ目にも挙げたように、今は他社の転職状況も容易にわかります。SNSで友人が転職して充実した会社生活を送っているという投稿を見た方も多いかと思います。転職者が周囲でごく当たり前に発生し、転職後の状況もインターネットの事例等から分かることから、転職に対するリスクは過去に比べて大きく減少しました

実際に、転職は十分に事前調査を行い、着実に準備を進めながら行っていけば、そのリスクを最小化することができます。また、転職が自然となっている現在では、たとえ1度失敗しても、また次の会社を目指すこともできます。


転職に関するサービスも増加の傾向をたどっていることから、今後も「自分のやりたいことのために転職する」人々の割合は増加していくでしょう。

筆者個人としても、この転職のメガトレンドをうまく利用して、一人でも多くの方々が理想のキャリアを手に入れ、充実した社会生活を送ってほしいと考えております。




これからも転職に役立つ情報を随時発信していきますので、当サイトも転職のヒントのために是非ご利用ください。

それでは、本日は以上となります。
お読みいただきありがとうございました。